【白いクジラ号・航海日誌 第二話】Port of Hope(希望の港)

【白いクジラ号・航海日誌 第二話】
Port of Hope(希望の港)
白いクジラ号**ミガロ(Migaloo)**は、
澄んだ風を切りながら、広い大地を泳いでいた。
背中に乗った小さな家、**スプーキーズ(SPOOKYS)**は、
朝の光を受け、静かに輝いていた。
旅は始まったばかりだった。
仲間はまだ5人。

けれど、空はどこまでも高く、
風はどこまでもやさしかった。
ある朝、
淡い霧を越えた先に、
小さな港町が現れた。
その港は、
黄金色にきらめく光と、
潮の香りに包まれていた。
地図にはない町──
けれど、ミガロの心には、はっきりと感じられた。
ここは、Port of Hope(希望の港)。
ミガロは、そっと地に降りた。
帆をたたみ、
潮風の中でしずかに佇むその姿は、
まるで、夢の中に現れた幻の船のようだった。
港には、たくさんの人々がいた。
子どもたちの笑い声。
老いた漁師たちの静かな眼差し。
旅人たちの、何かを探し求めるような背中。
この町には、確かに「希望」があった。
それはまだ形にはなっていない。
けれど、
誰もが心のどこかで、
新しい未来を信じたくて、ここに集まっていた。
スプーキーズの5人は、
それぞれ小さな冒険に出た。
港の市場を歩き、
青空の下で風に吹かれ、
見知らぬ人たちと微笑みを交わした。
誰も無理に声をかけなかった。
ただ、
光と風に、
小さなメッセージを託しただけだった。
「私たちはここにいる。
もし、あなたも同じ空を見上げるなら、
いつかきっと、出会えるでしょう。」
その夜、
ミガロは再び帆を上げた。
新しい仲間はまだ現れていない。
でも、心には温かなものが灯っていた。
── 必ず、ここから始まる。
── 必ず、未来へつながる。
ミガロは、港に別れを告げ、
希望の風を受けて、静かに旅を続けた。
ガロの航海日誌に、第二の記録が刻まれた。
第二章、Port of Hope。
私たちは、希望の港にたどり着いた。
新しい仲間とは、まだ出会っていない。
けれど、
この空の下、
必ず出会えると信じている。
光と風に導かれ、
私たちは再び旅立つ。
【第二話・爽やか改訂版・了】
次回、
第三話「Whisper of the Storm(嵐のささやき)」