シェアハウスと「沈黙の螺旋」:本音を言えない社会に

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シェアハウスと「沈黙の螺旋」:本音を言えない社会と、閉ざされた時のリビングの空気はよく似てる

シェアハウスは、一見すると多様な価値観が交わる場所に思える。しかし、実際には「沈黙の螺旋」が働いている。

「沈黙の螺旋」とは、社会の大多数の意見に反することを言うと孤立し、叩かれ、結果として黙るしかなくなる現象だ。シェアハウスはもちろん何処にいてもこれと似たことが起こる。

たとえば、スプーキーズであれば、リビングで住人たちが話しているとする。

「○○のニュース、どう思う?」

ここで、本当のことを言いたくても、周囲が明らかに別の考えを持っていると察したらどうするか?

——「変な空気になるかもしれないし、黙っておこう」

そうして沈黙が生まれる。そして、黙る人が増えるほど「この意見が正しい」と思わせる雰囲気が強まる。逆らえない空気ができ、ますます本音を言えなくなる。

これが、シェアハウスにおける「沈黙の螺旋」だ。

シェアハウスの“空気”は誰が作るのか?

シェアハウスでは、たった一人の強い意見が場の空気を支配することがある。たとえば、ある住人が「シェアハウスでは○○するのが普通でしょ」と言うと、それがルールのようになり、違う意見を言いにくくなる。

「いや、それは違うんじゃない?」と言える人は少ない。なぜなら、反論すると「空気を読めない人」「面倒な人」というレッテルを貼られるからだ。

結果、本音を隠し、建前の会話だけが残る。こうなると、せっかくのシェアハウスが「ただの他人の集合住宅」になってしまう。

「沈黙の螺旋」から抜け出すには

では、この現象を防ぐにはどうすればいいのか?

1. リビングを“沈黙の場”にしない

• 誰もが自由に発言できる雰囲気を作る。「どんな意見も大丈夫」と示すことが大切。

2. 少人数の会話を大切にする

• 大勢の場では言いにくくても、個別の会話なら本音が出やすい。少人数の対話を増やすことで、意見の多様性が保たれる。

3. 一人の声が全体のルールにならないようにする

• 「○○すべき」ではなく、「○○もアリだよね」と柔軟な考え方を共有する。

シェアハウスの本来の良さは、違う価値観を持つ人が共存できることだ。沈黙が支配する場にならないように、一人ひとりが「本音を言える小さな勇気」を持つことが大切かもしれない。

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